発行物紹介
introduction
いずむつ
成人向
昼下がりの情事〜内番服の誘惑〜
片岡春日さん(Pxiv)との着衣エロ合同誌、内番編。
着衣エロに盛り上がり過ぎて本ができました。そんな内容です。
内番服で致しているいずむつのみです。
イベント頒布価格500円
A5 / 中綴じ40P
2019年1月13日発行
頒布終了しました
昼下がりの情事〜内番服の誘惑〜 サンプル
SAMPLE
昼餉の後は、午前中に作業をしていた大きな畑ではなく、別の畑を見に行くことになった。顕現する刀剣男士も増え、大きな畑ひとつでは食料が足りず、畑にできそうなところは開拓して作物を植えている。その内の一つの、本丸から一番離れている畑まで移動する。
裏山の近くにある畑は主要の畑と比べたら小さなものだったが、それでも二人で作業するには時間がかかる広さだ。水を撒いて雑草を引き抜いていると、疲れも溜まってくる。
「少し休憩しようぜ」
「なんじゃ、もう疲れたがか。体力ないのぉ」
そんなことを言いながらも、陸奥守は和泉守がしばし休憩することを許可してくれた。お前は、と尋ねると、疲れちょらんき作業するぜよ、と言って作業の手を止めず、熱心に草を引いている。そんな陸奥守を見ながら、和泉守は冷たい茶を水筒から直接あおった。手を拭いて、持たされた水菓子をかじった。
「いー天気だなぁ」
少しばかり雲が出てきてはいるが、それでもいい天気にはかわりない。昼下がりの太陽の日差しは暖かく、眠気を誘う。疲れた体はだるく、頭もすっきりとはしない。加えてこの日差しでは、眠くならないほうがおかしいとさえ思が、けれど和泉守はそんな気にはなれなかった。眠気にも勝る重苦しいものが、身の裡にある。
和泉守は畑仕事に勤しむ陸奥守を見る。何が楽しいのか体全体を揺らしながら、陸奥守は草を引き抜きつつ、作物や土の状況を確認していた。
じぃとその姿を見ながら、元気だなと思う。己とは違う部隊の陸奥守も、昨日まで遠征やら出陣やらで忙しかったはずなのに、疲れた様子を見せることはない。こちらのことなど眼中にないように、熱心に働いている。
今日は久々に二振りになれる日だというのに、そんなに畑仕事が好きか、と和泉守は少し苛立った。
部隊が違えば、出陣や遠征ですれ違うことも多い。和泉守の部隊は連戦になることが多く、陸奥守の部隊は遠征に行くことが多い。刀剣男士であるからには任務が優先で、任務を行うことに文句はないが、比例して恋仲である陸奥守との時間は少なくなっていく。
昨日は和泉守は非番だったが代わりに陸奥守が出陣しており、今日は本当に久々に二振りの時間が作れる日なのだ。最初こそ文句を言ったが、内番であったとしても二振りでいられることには変わりない。だから普段なら適当に誰かに代わってもらうところを、わざわざこうして仕事をしているのである。
けれど陸奥守は恋仲の和泉守と過ごすよりは、畑仕事のほうが楽しいのだろう。そう思うほどに、陸奥守は畑仕事を張り切っていた。
面白くない、と気持ちがどんどんと下降していく。背中を睨めつければ、その視線に気づいたのか陸奥守が振り向いた。視線が合うと、にっと笑う。その顔がなんだか嬉しそうだと思ったのは、己の気のせいだろうか。すぐに顔は畑を向いてしまって確認することは出来なかったが、現金な己の心はどくりと胸を高鳴らせる。疲れた体の奥に、熱が生まれるのを感じた。
そのまま陸奥守の背を見続けていると、座り込んでいた辺りの草を引き終えたのだろう、陸奥守は立ち上がると一歩隣へと移動する。しっかりと足を開いて草を引くのに合わせて、腰が揺れていた。抜けない草でもあったのか、それとも何かを見つけたのか、前かがみになった陸奥守の尻端折りの下から、臀部が見えた。体にぴたりと合う股引は、普段はだぼっとした袴に隠れている陸奥守の臀部の線を浮かび上がらせている。ずくり、と腰の奥に熱が溜まっていくのが分かった。
なんとなく、体がだるかったのはそういうことではないかと思っていた。自分で処理はしていたが、それでも到底足りないほどに、連戦で溜まった熱は未だ己の中で燻り続けている。さらに恋仲である陸奥守とすれ違いで二振りの時間を持てずに、同衾もここ暫くはご無沙汰だ。
有り体に言えば、和泉守は溜まっていた。
けれど、だとしてもこんな真っ昼間から、それも青空の下で、内番の最中に盛るなど。そう思えば思うほど熱が高まっていく。背徳感のようなものが背を走り抜けた。
腰が重くなるのを感じながら、それでも陸奥守から目を離せない。見続けていると、今度はおもむろに腰を天へ突き上げて足を伸ばし、上体を倒して踏ん張るような格好になった。草が抜けなかったのか何度か体を揺らしている。
こくり、と己の喉が鳴った音が遠くで聞こえた。