昼下がりの情事〜内番服の誘惑〜 サンプル

SAMPLE

「ひっ……!」
再び和泉守が入り込んできた衝撃に、陸奥守は喉を詰まらせた。頭まで真っ白になるほどの衝撃は、快感だ。木についた手に力を込めてそれをやり過ごそうとするが、高められただけで達することが出来なかった体は敏感になっていて、いとも簡単に快感を拾っていく。
己を貫く和泉守の陰茎は、酷く熱い。先程中に吐き出したばかりだというのに、一度目よりも更に熱い気さえする。中から溶けていくようだと、ぼんやりと頭の片隅で思う。
「やめ、くっ……ぅあっ」
臀部に腰のあたる鈍い音がする。いつもまぐわいの最中に聞こえる肌と肌のあたる音ではなく、布が擦れる音だ。それでも打ち付けられる音がするのは、和泉守の律動が激しいからだ。
その鈍い音に混じって、ぐちゅぐちゅと先程までは聞こえなかった粘着質な水音が聞こえてきた。中に出された和泉守の精が抽挿される熱によって後孔全体に広がり、陰茎と内壁が擦れる度に泡立ち、押し潰されて、水音を立てる。内部からひっきりなしに聞こえる音が耳を犯し、羞恥心と熱を煽っていく。
「いず、みっ、いかんっ……!」
「なにが駄目だって?」
陸奥守が一番感じる場所を、和泉守の先端が捏ねて擦り上げて押し潰す。触れられる度に生まれる快感はすぐに熱へと変わり、腰をじわりと重くさせ、下帯に包まれたままの己が陰茎へと伝わる。和泉守の律動に併せて、固く張り詰めた先端が布を押し上げ、それがまた新たな刺激を生んで、熱を増長させた。先ほどと体の距離が違う分、中を抉る熱は容赦ない。
熱く固い先端が押し付けられる度に強い快感が脳へと走り抜けて、陸奥守は後孔を締め付けながら首を振る。和泉守は陸奥守の反応を楽しむように抽挿の勢いや律動の間隔を変え、何度もそこを狙って陰茎を穿つ。
「おん、し、んっ、……しわい……っ」
「でも、いいだろ?」
「ぅあっ!」
前立腺を押し潰しながら、勢いよく和泉守が最奥を叩く。衝撃を殺しきれずに、熱を孕む息と共に嬌声が漏れ出た。くつくつと和泉守が笑ったのが繋がった場所から伝わってきて、木に体を預けながらなんとか後ろを振り向けば、欲に塗れた顔で和泉守が笑っていた。
やめろと睨めつけることに意味は無いことはとうに分かってはいるが、それでも言葉を紡ぐのがままならない今、視線で静止をかけるしかない。けれどやはり視線で和泉守の律動を止めることは出来ず、がつがつと穿たれるのを受け止めることになる。
「はっ、すっかり出来上がってるじゃねえか」
「誰の、せい、じゃ……んっ」
ずんと衝撃とともに入り込んできた和泉守は、最奥に先端を押し当てたまま動きを止める。奥のいいところにあたって辛い。
「なぁ陸奥」
名を呼ばれ、なんだと顔を上げて和泉守を見て、熱を孕む浅葱の目で見つめられ、どきりとした。思わず締め付けてしまい、己を犯す熱の形をまざまざと感じてしまう。それにまた、心の臓が跳ねた。
和泉守が上体を倒す。最奥の更に奥にでも入ろうとするかのように腰が押し付けられ、ひ、と息が漏れる。
「お前も興奮してんだろ? 誰か来るかもしれない外で、こんな日が高い時間から、いつもの格好でまぐわってることに」
耳元で囁かれ、ぞわりと背が粟立った。

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